あけぼのやわらかな光が、まどろむ教室をそっとつつむ。 いつもの席に、ひとりのわたし。 視界は、窓の外の空にとどまる。 うたかたのような夢を見ていたのかもしれない。 えんぴつを手に、ノートに心の色をそっと重ねる。 隣の席にもうひとり、女の子が座る。 おもいがけず目を向ける。 かさねがさね、視線が交わり、心の距離が少しずつ縮まる。 きらめくような笑顔が、教室に満ちていた。 ささやかなぬいぐるみを、間に置いて。 それは、言葉にならない約束のようなもの。 たしかな絆を感じる間。 なにげない日常の中で、特別な出会いが芽生える。 はじめての感情が、心に静かに響く。 まるで、小さな奇跡のように。 こころの扉をそっと開けると、新しい世界が広がっていた。 わずかなひかりが、わたしたちを照らし出す。 ゆっくりと時間が流れ、言葉を交わす。 心が通じ合うのは、ふとした瞬間。 へたくそな詩を君に捧げ、せつなさを笑い飛ばす。 ひそやかな約束は、春の息吹とともに育つ。 あざやかな色彩で、世界は染まり始める。 深く、深く。 絆は、時を超えて。